


真夏日・猛暑日・・・梅雨は何処へやら・・・
この1週間、勝手な願いで雨を待ち望んでいたのです・・・が、叶わず終に、
京都妙心寺山内 東林院 「沙羅の花を愛でる会」 の最終日を迎えました。
昼食を済ませて近鉄で京都へ、バスを乗り継いで妙心寺へ。
四条烏丸通りでは早、祇園祭のぼんぼりの飾り付けが始まっていました。
今日も真夏日の京都です・・・・連れ合いは、花より昼寝を選びました。
苔の上に落花した白い沙羅の花を愛でる
妙心寺北総門で下車、北総門からの拝観は初めてなので、少々戸惑いました。
広大な敷地には46の塔頭寺院が松並木の両側に続きます。
「松樹千年翠」の禅語に言い表されるように、四季を通じて悠久の緑を境内にたたえ、
たいへん美しいものです・・・と案内されています。
大方丈・法堂・・・・石畳を東へ東へ・・・・・・東林院正面門へ。
同じ方向へ急ぐお方と言葉を交わしながら。
門前の受付でお抹茶付き会費を1,580円支払って玄関へ。
山門を入ると案内板が、時計はちょうど3時、4時で終了、なんとも気忙しい。
聞きなれないわくらの木との出合い。
シャシャンボ ツツジ科 スノキ属??ますます聞いたことがありません。
シャシャンボ とは、「小小ん坊」に由来し、小さな丸い果実のことで、
ブルーベリーに似た実が採れるそうです。
最初に目に映った庭 ・・・・・以前は木戸から中庭に入った記憶が。
紅い毛氈が敷かれた広間。
やろいさまと呼ばれてビックリ・・・・そういえば受付で名前を聞かれたなあ!
先ほどご一緒した方と一期一会のお抹茶接待を僧侶から受けました。
上品な甘さのお菓子・・・沙羅の花を模っているよう。
縁側に多くの方が腰かけて庭を眺め、住職さまの法話に耳を傾けておられます。
ナツツバキ(娑羅樹) ツバキ科 ナツツバキ属・・・梅雨ツバキとも呼ぶそうです。
沙羅双樹は、お釈迦さまが入定された時、いっせいに花開き、その死を悲しんだといわれ、
仏教とゆかりの深い名木です。
インドと日本の沙羅双樹は種類が違いますが、
『平家物語』にうたわれた沙羅双樹は日本の木がイメージされたもののようです。
朝に咲き夕には散りゆく “一日花” の姿が、人の世の常ならぬことをよく象徴しています。
”形あるものは必ずこわれて行く。 形美しきもの永遠に保てず”
お釈迦さまは
「今日なすべきことを明日に延ばさず、確かにしていくことがよき一日を生きる道である」と
お教えになっています。
沙羅の花は一日だけの生命を悲しんでいるのではなく、
与えられた一日だけの生命を精一杯咲きつくしています。
人間の生命にはいつかは限りが来ます。
そこから「生かされている人生をどう生きるか。今日を無駄にはできない」、つまり「今は今しかない。
二度とめぐり来ない今日一日を大切に、悔いなき人生を送らねば……」と
いう気持ちがわいてはこないでしょうか。
この仏縁深き花のもとで、静かに座って自分を見つめ、”生きる” ことについて考えてみてください。
佛さへ 身まかりませし花の色
見ていま沙羅に おもえ諸人 山田無文老大師御作
いただいたご案内栞 『沙羅』 に記されていることを、お話くださいました。
ご法話が終わると、三々五々にお帰りになり・・・広間はとても広く感じます。
受付がご一緒だった方は尾道から日帰りでお越しだそうです。
静かになった庭をもう一度、隅から隅まで・・・・
真夏日が続いたためか、苔が随分痛んでいます・・・・・
雨にぬれたグリーンの苔に落花したナツツバキを想像しながら・・・・・
沙羅の数珠 ・・・・ 300年以上の古木がいのち終わって・・・・
切り落とされた枝で作られた数珠。
私が以前愛でさせていただいたのは、この大木でした。
雨の日はまた違った感動があるでしょう。
苔に落ちた沙羅の花を・・・・雨を待ち望んだ理由だったんです。
今咲いている沙羅の木は実生から育った木だそうです。
他で育てられ移植した木と勢いが随分違っています・・・・葉の色も。
「見頃はいつですか?」と良く尋ねられますが・・木も1本1本お花の大きさも違うんですよ・・と。
だから「見頃は年中ですと答えます」・・・と住職さま。
4時近くなりました・・・・尾道のお方は一足お先に。
遠くで雷の響きが・・・1日遅かったようです!
帰りは南総門から・・・タクシーで京都駅八条口に直行 ・・・・・
雨に恵まれない暑い日でしたが、沙羅双樹と日本がイメージされた、”ナツツバキ”
「沙羅の花を愛でる会」に10年一昔の想いを強くしながら訪ねたのが、
私は昼寝より沙羅の花に満悦でした。
最後までお付き合い有難うございました。
