日本最古の歴史書「古事記」が712年に編さんされてから、今年で1300年。
奈良県内にゆかりの地が多数あり、それを歴史・文化遺産として生かそうとする試みが
展開されています。
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「コノハナノサクヤビメノミコト」 のポスターに逢いたくて、
また、手に取るような位置で展示物を拝見できる、
藤岡家所蔵 古事記 うちのの館 を訪ねることになりました。
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私を呼寄せてくれた 木花之佐久夜毘売命 (コノハナノサクヤビメノミコト)のポスター。
阿陀比売命 (アダヒメノミコト)
大阪朝日新聞 附録 大正5年1月1日「平和の図(和田英作画)」藤井改進堂
木の花(桜の花、あるいは梅の花)が咲くように美しい女性の意味とするのが通説。
100年近く前の保存状態が美しいポスターに暫し釘付け。
藤岡家住宅入り口に案内されている
「古事記」 木花之佐久夜毘売命が描かれたポスターです。
すっかりお気に入りになりました。
金剛山登山口・・・休憩所にも使われています。
登録有形文化財「 藤岡家住宅 」
台風の後だったので、私専用に案内が付いてくださって勿体無いことです。
館内夏の企画展
壁にはさり気なく 棟方志功 の版画が! 「南方熊楠の書簡 ~熊楠と藤岡玉骨~」 が展示。
久しぶりの 茶房 梅が枝 の照明
古事記の展示場になっている 内蔵入り口。
国宝真福寺本古事記 (写本) 復刻版 上巻 中巻 下巻 揃っています。
国宝真福寺本古事記解説など
寛政11年刊行 「古訓古事記」・明治32(1899)年発行の「校注古事記読本」など。
展示面は五條の「阿陀」や「宇智」など地名が書かれたところだったのですが、
26日から奈良国立博物館で展示される箇所を学芸員さんに教わりました。
その箇所を 「最終の期間なので変えましょうと」、 展示面にしてくださいました。
原文 夜麻登波 久爾能麻本呂婆 多多那豆久 阿袁加岐 夜麻碁母禮流
読み ヤマトハ クニノマホロバ タタナヅク アヲガキ ヤマゴモレル
夜麻登志 宇流波斯
ヤマトシ ウルハシ
かな文字 やまとは くにのまほろば たたなづく あをかき やまこもれる やまとしうるはし
書き下し文 倭は 國のまほろば たたなづく 青垣 山隱れる 倭しうるはし
へ・え・え・え・えええ!平仮名、カタカナが無い時代です。
稗田阿礼が語った言葉を、太安萬侶がこのような漢字の音で表現しています。
当てはめたって感じです・・・・訓表現ではないので意味不明。
原文を実際に拝見してへええええええ!

中心より 右2行目から ・・・・・ 夜麻登波
奈良国立博物館 -古事記撰録1300年- の特別展で6月26日~7月2日
「ヤマトはクニノまほろば・・・」 有名な 思国歌 (くにしのびうた)の原文の部分が展示されます。
国偲び歌 倭建命が亡くなる直前、ふるさと大和を偲んで ・・・・・・
(大和の国は国々の中で最も優れた国だ。重なり合って青々とした垣のように国を囲む山々。
(その山々に囲まれた)大和は美しい)
国宝真福寺本古事記(写本)復刻版 国宝 古事記 中巻 (大須観音宝生院蔵)
藤岡家所蔵 奈良国立博物館
JR和歌山線は1時時間に1本 ・・・・ 乗り遅れると大変なので!
もう少しゆっくりし拝見したかったのですが、 うちのの館を後にしました。
田植えの終わった駅までの道すがら・・・・ノアザミ ・ ワルナスビ ・ ユウゲショウ ・チガヤ
春型に比べ翅が黒っぽくなった夏型ベニシジミチョウ と
梅の実がたわわに生っている木に群れるウメエダシャク
雨上がりの金剛・葛城山を振り返りながら、和歌山線北宇智駅に急ぎました。
目まぐるしい日程の中、単独ですき間をちょっと横道に・・・・
この日も朝から法友たちと奈良経堂の永代経に参拝。
午前の 都呂須 孝文師 のお話を聞かせていただき、お斎までご馳走になりました。
午後、西の京から奈良国立博物館ではなく・・・・少々勝手な行動だと承知の上で
遠い五條までポスターの木花之佐久夜毘売命に会いに出かけてしまいました。

この記事へのコメント
sakko
藤岡家は一人で行ってこられたのですね
食推から行った日のことを思い出しています
古事記編纂から1300年・・・・・
やまとは くにのまほろば・・・・・
この大和に住んでそう思うことが多いですね
この間の台風も奈良を直撃と思ったのにその手前で
少し東にそれましたね
古代の人がこの大和の地を選んだことが判る気がします
ひらがなやカタカナが無かった時代
よく書き残してくれましたね
太安万侶さんは尊敬する人です
だって私は旧多村生まれですもの
4月20日は「れんど」でした
「多れんど」といって多神社にお参りしました
藤岡家からそれてしまいましたが
↓前回の記事で多の辺りの景色を懐かしく思い出していました
最近は出かけることが少なくて「1300年」に関係なく
過ごしています
やろいさんのブログでいろいろ知ることが出来ました
矢車草
丁寧で興味を持たせていただける
やろいさんのブログ
楽しませていただきます
fujisan
nobara
大正5年1月1日「平和の図(和田英作画)」ですか・・・
我が家の義母はそれから10年後の生まれだわ~~
想えばなが~~~い月日なんですね~
青木繁の神話シリーズの絵を思い出しています。
咲くやこの花館も、きっとこれに由来してるのでしょうね。
鬱々~した梅雨の気持ちを払いのけて下さるようなレポートです。
しかし・・よ~降りますね~。今日も今日とて~なんですよ。
sakkoさんへ
コメント有難うございます。(*^_^*)
そうでした!sakkoさんのお里・・・
二上山がきれいに見えますものね。
以前からこのポスターに興味を持っていました。
機会が無くていよいよ最終の展示時期になって、
大切なお話を聞くことなく・・こちらを選択してしまいました。
駅前も随分幟旗を立てて観光に結び付けようと頑張ってくれています。
多神社随分整備されていたに驚きました。
太安万侶の墓と立ててあった場所・・
注目されています。
やまとは くにのまほろば ・・この歌がとてもお気に入りなので
ついはまってしまいました。
矢車草さんへ
コメント有難うございます。(*^_^*)
訪ねていただいて嬉しいです。
育ったふるさとは何時も懐かしく思い出すものです。
一枚のポスターに執着している自分が可笑しくなるのですが、
もう年から考えて何でも有りです(笑)
fujisan さんへ
気持ち玉・コメント有難うございます。(*^_^*)
このはなさくやひめ・・ 古事記は「コノハナノサクヤビメノミコト」
火中出産の説話から火の神とされ富士山本宮浅間大社に
祀られているそうですね。
木の花(桜の花、あるいは梅の花)が咲くように美しい女性の意味とするのが通説・・・のようにとて美しいお姿でした。
nobara さんへ
気持ち玉・コメント有難うございます
たった一枚のポスターに魅せられたのです(笑)
本当に綺麗な状態で保存されていて驚きました。
ふくよかな姿がとても印象に残りました。
100年近くなるのです。
我が母の年齢です・・・義母さまお元気で何よりです。
青木繁の油彩もまた違って好いですね。
最終の週に何とか間に合いました。
行こう行こうと思っている間に見逃すものが随分増えました。
何だかせわしなく生きている感じです(笑)
それだけ歳を重ねたことに実感しています。
空
「うちのの館 藤岡家」奈良にはまだまだ知らないところがたくさんあるな~、と思います。
京都のように観光地化しないで、歴史がありながら鄙びたところが奈良のよいところですね。
古事記が編纂されて1300年ですか。
万葉仮名を解読した先人の苦労があればこそ、古人の心がまるで隣人のように感じられることに感謝!です。
空 さんへ
コメント有難うございます。(*^_^*)
行きたい行きたい!随分前から機会を待っていたのですが、
今月末で終了するので、今しかないなんて思って・・
横道に反れました。
国立博物館のほうがよほど近いのですが、
うちのの館 藤岡家は本当に身近で拝見できる魅力があるのです。
それで時間を調べて朝から西ノ京へ。
行って好かったです!
国立博物館で見る箇所を簡単に捲ってくださったのです!
感謝でした・・・原文の漢字に戸惑い・・・
こりゃナンジャ!と(笑)
今晩は~
有難うございました。
冒頭のポスターからは神代の時代を
連想させてくれますが・・
古事記の歴史的な意味は深く・重いんだなあ~と
あらためて思いました。
このポスターの白い鳥はハトなんでしょうか??
失礼な表現になるかも知れませんが、きわめて真面目に
作られたポスターだなあ~と思いましたね。
神武天皇が東征の時に登場したのがヤタガラスですよね・・
その伝説に合わせるような、白いヤタバトだったらもっと
インパクトのあるポスターになったのでは?
なんて事を思うのは僕ぐらいのもんでしょうかね??
最近はお花と動きのある昆虫のコラボが映像の中に多く感じますね。
woosan
素晴らしいポスターですね、少しも古さを感じさせず夢と安らぎを与えてくれます、古のロマンをも感じます。
今このようなポスター・雑誌などの広告に見る事が出来ないのが寂しいです。
素敵なお出かけでしたね、写本とは云え古事記に接しその時代を偲ばれたなんて、心も豊かになりますね。
余談ですが7月20日に「古事記編纂1300周年」の記念切手が発行されます、木華開耶媛(このはなさくやひめ)などがデザインされています、監修・助言は三浦祐之 立正大学文学部教授 です、額面80円で1シート10枚の構成です。
郵便局・郵便事業会社で扱います、郵便配達員に云えば届けてくれると思います、興味が湧くようでしたら買い求めても良いかなと思います。
その他のデザインはJP日本郵便ホームページの新着切手情報で見る事が出来ます。
今晩は~
気持ち玉・コメント有難うございます(*^_^*)
奈良は古事記編纂1300年を生かそうとする試みがされています。
1年は平城遷都1300年・・何とか盛り上げようと・・
ポスターがすっかりお気に入りになってしまいました。
>白い鳥はハトなんでしょうか・・そのように説明を聞きました。
枝の題材・・「平和」だそうです。・・ので鳩でしょうね。
政治の鳩さんはいささか・・・
神武天皇が熊野から大和へ入ろうとしたときに道案内し、
重要な役割をつとめたのが八咫烏(武角身命の化身)です。
そのいわれの八咫烏を祀っている八咫烏神社が奈良の
榛原にあります・・訪ねたことがあります。
境内の東の方向には伊那佐山があり古事記に登場する由緒ある山なのです。
古事記と繋がるところ多々あります。
昆虫。。名前が分からなかったので、虫の掲示版で教えていただきました。
woosan さんへ
気持ち玉・コメント有難うございます(*^_^*)
このポスターにすっかり魅せられてしまいました(笑)
100年前の色使いがすっかりお気に入りです。
>月20日に「古事記編纂1300周年」の記念切手が発行・・
全く知らなかったので。教えていただいて嬉しいです。
記念切手はお気に入りを沢山買います。
お贈りするのに使います。
忘れないようにカレンダーに記しておきます。
JP日本郵便ホームページの新着切手情報・・で拝見しました。
是非記念にしたいと思います。
>郵便配達員に云えば届けてくれると思います・・
そのようなことがされているとは知りませんでした。
いいことを教えていただきました・・有難うございます。
はるわか
藤岡家、良い所を又興味ありながら難しい所を解りやすく
紹介して貰えてよかったです。
漢字の読み難しいです、なかなか読めません。
100年前のポスターこんなだったのですね。綺麗で
今でも十分通じる新しささえ感じます。
鬱陶しい梅雨の季節久しぶりに古代に遊びました。
I子
ポスターを大きくして見せていただきました。
100年も前のものとは思えないほど
しっとりとして落ち着いた色合いの綺麗な
ポスターですね。
有名な「やまとはくにのまほろば」のフレーズを
原文で見ることができるなんてうらやましい限りです!
woosan
記念切手の件でメッセージ差し上げました、参考になさって下さい。
はるわか さんへ
気持ち玉・コメント有難うございます(*^_^*)
ひたすらポスターに目を奪われていました。
青垣と言う言葉が地域には多く使われいます。
>倭は 國のまほろば たたなづく 青垣 山隱れる倭しうるはし ・・
この歌がお気に入りでしたので、どのような字で書かれているのか
それだけが興味があったのです。
国立博物館で展示される日が都合が付かず、
思い切って五條に出かけました。
たまたま学芸員が箇所を見せてくださり・・
最終だからこの箇所を開いておきます・・・ラッキーでした。
1300年の節目だったので、知ることが出来ました。
I子 さんへ
気持ち玉・コメント有難うございます(*^_^*)
お気に入りのポスター共感していただいて嬉しいです。
100年近い経過・・自然の色のあたたかさに驚きました。
ふくよかな感じは今の時代に沿わないかも知れませんね(笑)
やまとはくにのまほろば・・「青垣」と言う言葉が、
特に使われていることが多いのです。
この歌からの由来なんです。
少し驚いたのは・・漢字の音表現なので、本当にへえええええ!
って感じでした。
ただ漢字が句読点無しに並んでいるだけですもの!
歌を知っているから何となく「あああああ」滑稽なことです。
woosan さんへ
買い物の近くに「集配(営業)課」がありますので問い合わせて見ます。
記念切手のほとんどは催し会場などで、出張販売されている時に購入します。
量をとらず必要とされている方には、贈るのにとても好いので、
必ず求めています。
旅のお土産もお今まで土地の局を探して買い求めていました。
有難うございました。
じゅん&すばる☆
たおやかで優しげで それでいて凛とされてる感じが お名前のコノハナサクヤヒメ様♪
ステキなお姿のポスター 100年も前の作品
今でも 鮮やかでキレイ~スゴーイ!
1300年も前に 書かれた本が いにしえの方々のお力で 今に伝わるの凄さ!やろいサンのお陰で 大和の国の今も昔も スゴイなぁって教えて頂いてです!
すばる
じゅん&すばる☆ さんへ
気持ち玉・コメント有難うございます(*^_^*)
コノハナノサクヤビメノミコトの福与かなポスターにすっかり
魅入ってしまいました。(笑)
暖かな色使いとても100年経っているとは思えませんでした。
古事記が偏されて1300年・・凄いですね!
仮名が無かった時代中国から漢字が入ってきて、
音で書かれていますので・本当に意味不明です(笑)
書物に書かれている地域があちらにもこちらにも・・
古都ですね・・・
anadera
すっかり古事記の世界を楽しませてもらいました。
今年が古事記1300年なんですね。だから、今、古事記ブームなんですね。
ミクミティ
古事記の解説の記事も非常に興味深いです。私も実際にこの目で見て歴史を感じてみたくなりました。奈良にいると神話の世界が身近で羨ましです。
それから、コノハナノサクヤビメノミコトのポスター、確かに女性に人気が出そう。昔のアイドルのような雰囲気がしてしまいます。
神様に失礼ですね。
anadera さんへ
気持ち玉・コメント有難うございます(*^_^*)
今年は古事記編纂1300になります。
奈良は多くの言い伝えがあります。
anadera さんが以前、本屋さんに古事記のコーナー
があると記されていましたね。
原文って何が書いてあるのか、全く分かりません(笑)
わずか2行の国偲び歌・・素晴らしい意味が込められているのに
改めて感動です。
ミクミティ さんへ
気持ち玉・コメント有難うございます(*^_^*)
一枚のコノハナノサクヤビメノミコトのポスターに魅せられて・・
古事記の原文の写本ですが字を見せていただきました。
私の望んだ箇所を・・捲ってくださったんです。
嬉しかったです・・・
寸分たがわす写本された字に案内してくださった方と、
溜息を付いて拝見できました。
この歌にある「青垣」奈良は特にいたるところで使われています。
地域の生涯学習センターも「青垣生涯学習センター」・・と。
青垣に囲まれ国中(くんなか)に位置します。