修ニ会(お水取り) ・ 食堂(じきどう)作法 ・ 達陀松明 作り ・ 籠松明



   読売新聞のコラム 編集手帳に記されていた一部分、どきりと胸を突いた。

       きょうで丸2年になる。

       わが胸に尋ねてみても、何かが風化したとは思わない。

       思わないが、テレビの映像に心臓を鷲摑みされた感覚が思い出せない日もある。

       一人ひとりにできることは限られているとしても、せめて帰ろう。

       被災地のことだけを考えて、ほかには何の望みもなかった、あの夜に帰ろう。



3月9日(土) 

                 暖かな日和に誘われて午前の修ニ会行事を拝観に。


                            二月道参道から大仏殿


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                      左 二月堂  ・  右 法華堂 (三月堂)


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                            3月9日 11:30


     参籠宿所に続く 食堂(じきどう) に立てかけられている籠松明、と仕上げ途中の達陀松明。

     食堂には、賓頭盧尊者像と訶梨帝母像(=鬼子母神・国の重要文)が安置されています。


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             奉納が絶えない真竹 … 童子さんによって松明に仕上げられる。



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            8日に仕上げられた  籠松明 11本 … 12日に上堂される。

            長さ6mほどの根付きの竹の先端に、杉の葉やヘギ・杉の薄板で籠目状に組まれ、

      直径1mほどの大きさの松明に … 仕上がりは長さ約7メートル、重さ約80キロ・と童子さん。


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            12:00鐘を合図に 参籠所から小走りで錬行衆が食堂作法へと向かわれます。

               修二会本行中、錬行衆が一日で唯一取れる食事。

                    「食堂(じきどう)作法」 と呼ばれ、食事も修行かな?


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        参籠所前にある 「湯屋」 では、練行衆の食事の準備がされています。


                湯屋の内部の、土間(釜屋)で竈の火が赤々と。

                         荷って運ばれてきたお湯と味噌汁。


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               家紋入りの塗りの器に食器が納められてているようです。


                  北東の扉が少し開いている ・・・ カメラを持った人・人・人。 


                      ピンボケ写真 

                 練行衆に大鉢で白飯を盛って、汁を供するなど、

           食堂作法に奉任される白衣の堂童子と小綱(しょうこう)・駈士(くし)さん。  

 
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           着座されて以下の15項目作法がなされて … 1項目2分にしても30分も  

  1.お茶触れ    2.食堂出仕    3.交名披露(1・5・8日)    4.仏飯献供    5.三礼文   
   6.如来唄     7.神分    8.加供帳    9.神分    10.回向文    11.六種回向
  12.仏名    13.回向偈    14.施食呪願    15.食事頌   
                                               奈良散策 さんより


                  まず揃ってお椀の蓋に食事の一部を予め取り置いて、

                     一切衆生に施すという、「生飯(さば)」 作法。


            作法が済んで閉扉され、いただかれるのはすでに12:30を過ぎていました。
      



                お椀の蓋に少しずつ取り分けられた、「生飯(さば)」


                お供えされていた吊るし柿を参拝者にお下がりとして。


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     食事が終わってご食堂南側が開扉、錬行衆が懐紙に包まれた一握りのご飯を

     閼伽井屋(若狭井)の屋根に投げる 「生飯(さば)投げ」 が行われました。

         東大寺で暮らす鳥への施し ・・・  童子さん、「もう直ぐ烏が来ますよ!!」


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                             重要文化財 鎌倉時代初期 閼伽井屋(あかいや)。 

            修二会に毎年3月12日(13日午前1時過ぎ)本尊十一面観世音菩薩にお供えする御香水

            (閼伽水)をこの屋内にある井戸より汲む儀式を行うところ。


 閼伽井屋(若狭井)の屋根に投げられた生飯(さば)。


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食堂(じきどう)作法が終わって直ぐに錬行衆は上堂 … 日中・日没の勤行。

西の局から南の局へ移動して聴聞させていただく。



練行衆が、内陣を歯のない差懸(さしかけ)を履いて回りながら声明、床板を打って堂内の響き渡ります。

声明が止み、静寂の後、突然けたたましく差懸(さしかけ)の音が南の局へ、

練行衆の一人が何かの作法を済ませて、南の局前から内陣へと移り、声明が始まる。

声明は輪唱のような心地よいハーモニーとして聞かせていただく。


              観音経でしょうか?  南無観 ~ ~ ~ ~ と続きます。



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    「火の行」とも言われる「修二会」は、使われる松明は何種類もあるようです。

    「修二会」を裏で支える童子さんによって作られています。


                  達陀(だったん)の松明 だと教わりました。

          2・3人で組になって午前中から作られ、午後から仕上げ作業のようです。


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            13日午前2時過ぎお水取りのあと「(達陀(だったん)の行法」が行なわれます。

   13日 3:00 14日 0::00 23:00
     「達陀(だったん)」の行法は、鐘と法螺貝の音が内陣に響き、帳が一文字に引き上げられると
    黒い兜のような達陀帽をかぶった僧が、堂正面に走り出し香水を振りまきます。
    そして、炎を吹き上げた長さ8メートルの籠松明が童子に担がれて北の回廊から
    堂に駆け上がり礼堂の床に投げ倒されるという激しい行法です。



                          藤蔓で最後の飾り編み仕上げ。


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             修二会の諸行事の中で最も華麗・躍動的な行事だと聞きました。


         編み込みに使う頑丈な藤蔓の皮を剥いで、石柱に擦り付けしごいている裏方さん。


               
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          いよいよ12日・13日・14日衆ニ会(お水取り)のクライマックスが行われます。



      3月15日は「達陀の行法」で使用された蒙古の兜の様な形をしたピカピカ金襴の達陀帽を

            幼児の頭に被せる行事、「達陀帽戴かせ」が行われると、本格的な春の訪れです。

                 子供の頃、祖母に連れられてお参りした記憶があります。

                 我が息子たちも就学前には、連れてお参りしたことも。


                                                                  


               修二会の覚え書きに、長々とお付き合い有難うございました。 



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             帰宅途中の車中でワンちゃんの前に座って目が合って笑ったのに … 

                         全くそ知らん顔をされてしまいました。  


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