

降り続いた雨が小止みになり、どんよりした厚い雲で蔽われている。
雨のお陰でしょうか?少し気温が下がり猛暑から開放されたひと時を、
浮図田として整備されてからはじめての、元興寺(世界遺産) 地蔵会のご縁です。
「万灯供養」と案内されています。
願いを墨書した灯明皿に、菜種油を注ぎ藺草芯の灯芯に点火。
灯明皿は、土に還るように低火度で焼成したものだそうです。
庵治石を陰刻した獅子国型佛足石前に仏華・供物などで荘厳されています。
佛足石は、古代インド仏教圏で仏像無き時代の、仏陀そのものを象徴する、
生きた釈迦の両足尊として信仰されていました。
可愛い姉弟かなあ! 元興寺取材班の撮影のようです。
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17:30を過ぎた頃 … 重要文化財 元興寺極楽坊の東門。
東大寺西南院四脚門を移建したことが記録されています。
東門を入ると真正面に 国宝 元興寺極楽堂(極楽坊本堂・曼荼羅堂)
曼荼羅堂北側を禅室へ続く通路正面に、満開の百日紅の花。
樹下の丸太に書かれた 「百日紅 楽土より飛来 ・・ 天女の日傘」

禅室南側 … この辺りまで来ると、菜種油の匂いが立ち込めて
子どもの頃の懐かしい地蔵会を想い出しています。
石仏の前の藺草灯芯に点火された暖かな揺れる炎 … コシキブ に蕾が。
先日来の雨に叩かれたのか … 寂しそうな キキョウ
禅室縁側に準備された演奏用の琴 … 演奏を待っておられる参拝者。
佛足石前で勤行を終えられた僧侶方、浮図田の最奥に設けられた祖師苑へ礼拝される。
礼拝を終えて浮図田を退かれる僧侶方。
浮図田の一番高台 … ここから眺める極楽堂 ・ 禅室の飛鳥時代の甍
極楽堂の北流と西流、禅室の南流の東側の屋根、
赤っぽい素焼きの瓦は、元興寺の前身である飛鳥寺から移築する際に運ばれた飛鳥時代の瓦です。
1300年近い昔の瓦が使い続けられいるのには驚きです。
1300年前の瓦の色の違いが分かると思います。
禅室縁側でお琴・尺八の演奏が始まったようです。
何方かの声 「昔のお嬢様ばかり…」 あああ!耳が痛い!
水盤舎に生けた桔梗が栄えます。
ひとまわりして極楽坊本堂・曼荼羅堂へ。
極楽堂(曼荼羅堂)の須弥壇上に地蔵尊を御安置して、地蔵会(え)法要が厳修されます。
65年目を迎える宗教行事で、極楽堂(曼荼羅堂)に掲げられる各界名士奉納の行燈絵。
一部の紹介です。
左から 臨済宗相国寺派管長 ・大安寺貫主 ・ 前法務大臣 ・ 根来寺座主 ・ 道成寺住職 ・ 大仏師
東寺長者 ・ 白毫寺住職 ・ 長谷寺化主 ・ 千手院管主 ・ 須磨寺管主 ・ 室生寺管長
泉涌寺長老 ・ 法隆寺貫主 ・ 法隆寺長老 ・ 薬師寺管主 ・ 善通寺法主 ・ 慈光院住職
妙法院門主 ・ 薬師寺長老 ・ 泉涌寺長老 ・ 東大寺長老 ・ 高野山真言宗管長 ・ 東大寺長老
藺草灯芯の点検・菜種油の補充・境内の整備など係りの方が忙しそう。
藺草芯の灯芯は、安堵町歴史民俗資料館灯芯保存会から献納されたそうです。
19:00 日が短くなりました…浮図田の灯明皿が赤々と感じまます。
19:10 すっかり暗くなりました … 灯火が幻想的です。
灯明皿の灯明 ・ 石佛 ・ そして桔梗
もう一度浮図田をひとまわり …
21:00の閉門まで灯明が消えないそうです。
子どもさんの合掌姿印象に残ります。
極楽堂(曼荼羅堂)に向って合掌して東門を後に。
東門前に ・ 世界遺産 元興寺 石碑
19:20 急いで奈良町を抜けて、細い路地を
・・・ はて???
ここは何処! 我が通いなれたはずの奈良市内、
夜の路地は魔物!方向を見失っています。
椿井小学校 … ああ好かった!
現在地が分かりました。
人生の現在地を見失ったら大変です
