

年に1度の東大寺転害会一般公開の縁をいただいて、上野千鶴子さんの講演を聞く前に立ち寄りました。
小降りにもならず、ポツリ・ポツリの降ったり止んだりの雨模様、厚い雲が空を覆っています。
大仏殿への散策路 … モミジがほんのり色付き親子鹿の群れがあちらこちらに。
鹿の親子 … 小鹿、随分大きくなりました。
小雨に濡れた戒壇堂への階段 戒壇堂
毎年10月5日に東大寺で行われる法要「転害会」。
法要の後、手向山八幡宮のご神体だった快慶作の秘仏「僧形八幡神坐像」(国宝)が開扉され、
髪が伸びてアフロヘアのように厚く覆いかぶさる頭髪が特徴の「五劫思惟阿弥陀如来坐像」(重文)、
江戸期に大仏殿再興に尽力した「公慶上人坐像」(重文)も公開されました。
東大寺 勧進所 赤門入堂後、大仏殿・若草山
赤門前で入堂料 500円を支払う …「入堂料は義援金にさせていただきます」と。
突き当り … 八幡殿

勧進所前から眺めた大仏殿・若草山・赤門
古木の枝垂れ桜 手水舎 ・ 井戸 ・ 滑車
勧進所に置かれた二月堂お水取りのお松明燃え殻。
鐘楼 と 脇に植えられたザクロの実が弾けています。
東大寺から下りて来られた 僧侶方が公慶堂へ参拝されるようです。
公慶堂へ … 東大寺の僧侶ではなさそうです … 入堂料をお支払いでした。
八幡殿の左側に建つ勧進所経庫(重文)校倉造りです。
阿弥陀堂正面
落語 ・ 寿限無 寿限無、五劫 … 劫
1劫 … 天女が100年に一度降りてきて、方四十里もある大磐石を羽衣で軽くひとこすりして、
摩滅してもまだ余りある時間。
重文 五刧思惟阿弥陀如来坐像 (東大寺展より)
経説によると四十八の大願を成就するために永い間、剃髪をすることもなく
坐禅・思惟していたので、このような髪形になったという。
暫く向かい合って合掌して拝顔させていただきました … 童顔のように想えたのです。
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国宝 快慶作「僧形八幡神坐像」は、元は手向山八幡宮にあったもので明治維新後の廃仏毀釈で
東大寺へ移されたのだそうです。
前回拝観させていただいた時は、東京国立博物館で開かれる 「東大寺大仏-天平の至宝-」特別展へ
出展の為に閉堂直ぐに荷造りされ待っていた運送用のトラックに積み込まれ出発をお見送りしました。

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指図堂は大仏殿の西、勧進所の東側にあり、堂内には、墨染の衣で念珠を掛け
合掌される法然上人の「草鞋ばきの法然上人御画像」が御本尊です。
さへられぬ ひかりもあるを おしなべて へだてかおなる あさがすみかな
平重衝により、東大寺や興福寺が焼打ちに会い、都民は信仰の中心を失ってしまいました。
後白川法皇は、一刻も早く東大寺を再建したいと願われて、造営の勧進職を、法然上人に
内命されました。
上人は名利を嫌い、お弟子の俊乗坊重源上人にその職を譲られました。
併し御自分は陰の力となり、指図堂に留まって、お手伝いをされたのであります。
指図堂の御影は、墨染めの衣に金剛草履をはいて勧進されている元祖様の珍しいお姿で
あります。
法然上人上のお歌 「草鞋ばきの法然上人御画像」
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講演の挨拶が始まっている時刻になりました。

まあ好いか! 上野千鶴子さんの講演が聞ければ … マナー違反ですよね。
戒壇堂から水門を経て、奈良県庁裏から会場の奈良文化会館へ急ぎました。
友人から席確保のメールをいただいていたのですが、ご一緒しないで、ゆったり2階の
最前列、ど真ん中の席で拝聴できました。
逃げ足も早いです … 20分後には近鉄電車の車内で夕食の献立を思案していました。
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大型で強い台風19号が近づいています。
最大の警戒と早めの備えを心がけましょう。