
天気予報によると、朝から高気圧に覆われ梅雨の晴れ間となり、気温が上昇するとのこと。
病棟へ出かける頃には、強い日差しで30℃を超えました。
本日の緩和病棟リビングでのイベント、あじさいコンサート …
アンサンブル 和(なごみ)さんの大正琴演奏。
栄養科より紫陽花をイメージしたゼリー ・ コーヒーはモカ、アイスクリームが繁盛でした。
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6月19日(日)

朝からしとしと雨が降り続いています。
昨日奈良市内の親戚から、訃報が入り通夜式に参列することになりました。
時間に余裕を持って家をl出て、この機会に 興福寺国宝館 へ立ち寄ってみようと思いました。
国宝館前に長い角に成長した鹿の群れ。
春に生え始めた角は、まだ表皮を被っていて触ると柔らかく、血液も流れ温かさも感じられそうです。
この状態の角の事を 「袋角」 と言い、この時期には、1日に2~3cmも成長するのだと聞きました。
大きくなった角に柔らかい毛が生えているように見えましたが…
国宝館前から、国宝東金堂(とうこんどう)・ 国宝五重塔 食堂(じきどう)の跡地に建てられた国宝館。

財布の中に何時も入れている国宝館2名優待券。
利用させていただく機会がありそうでないのですが今回は利用させていただくことにしました。
来春の3月末日まで自由に何回も利用できます。
入り口で優待券を示すと … 「いつもお世話になってありがとうございます」と…
実家の弟に伝えないとね。



東金堂の修理中、須弥座の下より発見された「仏頭」、昨年の正倉院展へ3日間の貸し出し日に
拝観して以来 … 慈しみの半眼がとても美しい。
今回特に足が止まってしまったのが釈尊の十大弟子の将軍万福の作と伝えられる脱活乾漆造の
代表作です。
表面は,木屎漆(こくそうるし)により細やかな造形が施されていて、写実的で、僧衣をまとって
洲浜座の上に立っておられます。
像高は150センチ前後、お顔を拝見して特に舎利弗、目犍連のお姿をじっくり拝見して
お顔の表情の柔らかさが初々しく私の目に移りました。
神通 第一といわれ、餓鬼道に苦しむ母を救うため、夏安居 の最終日に 多くの僧を集めて供養した
といわれ、盂蘭盆会の起こりとされます。
通夜式に持参した佛説阿弥陀経本を開いて、お弟子のお名前とお顔を照らし合わせながらこころ
ゆくまで拝観させていただきました。
この場所は癒しの時間に変えてくださる場所のようです … 心に余裕もいただけそう。
館内放送で「閉館10分前になりました」…と聞こえたのですが、出口に近い阿修羅像の前で、
しばし佇んで、ほんのり鴇色の目元を飽きずに拝観させていただきました。
閉館ぎりぎりの時刻まで館内に残っていたのはわずか数人のようでした。
雨に濡れた国宝館前の芝生と木々のグリーンは一段と鮮やかです。
国宝五重塔 ・ 仏頭が発見された国宝東金堂(とうこんどう)小糠雨に煙っています。


左に中金堂平成再建工事が進行中、平成30年落慶予定と大きく案内されています。
小糠雨が降り続く夕暮れの国宝 五重塔
振り向くと 西側に重文 南円堂
右近の橘 左近の藤
右近の橘といわれる タチバナ ミカン科 ミカン属
南円堂は左近は桜ではなく、藤原氏の藤棚に。
日本に古くから野生していた日本固有の柑橘で、 酸っぱく、食用には向かないそうです。
万葉集
橘は 実さへ花さへ その葉さへ
枝に霜降れど いや常葉(とこは)の木
巻6-1009 聖武天皇
南円堂 右近の橘がオレンジ色の実を沢山付けています。
雨で芝生が鮮やかな南円堂裏側 … 草を食む鹿
国宝北円堂 … 日本に現存する八角円堂のうち、最も美しいと賞賛されお堂。
中金堂の再建工事と併せて工事用の柵で囲まれています。
南円堂の裏手になる一段低くなった場所に建立されている 国宝 三重塔
藤原氏の栄華の象徴五重塔を見上げても、裏手の静かな場所に位置する三重の塔まで足を運ぶ方が
とても少ない。
雨だから??国宝三重の塔は私のひとり占めでした … 夕暮れの静かな場所に何時までも私ひとり。

初重が大きく、極めて安定感のある 国宝 三重塔
雨の日暮れは普段より暗く感じます … 国宝三重の塔から眺めた南円堂・小さく五重塔。
南円堂と鐘楼 … 南円堂を南側から…
左上の南円堂の鐘楼、現在も朝夕の六時と正午に、撞かれているそうです。
三条通りへ下る手前 … 振り返って誰もいない三重の塔をもう一度。
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夏至間近の時刻はすでに17:40 … 急ぎ足で近鉄奈良駅からタクシーで通夜会場へ。
その場所は親戚の同窓会場といった雰囲気 … 何十年も会うこともない姪や甥 … その他の親族。
故人を通していただいた縁ある方々との語らいは続きました。
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