遺品整理でいただいた書のお軸


2月13日(木)


午後から浄照寺サロン日、庫裏玄関前の古木梅の花がほころび始めています。


例年より少し花が少ないかなあ ・・・ 工事用の覆いが光や風を遮っているようです。


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庫裏が完成する初夏には大粒の梅が収穫できることでしょう。


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ほのかな甘い香りが漂っていましたよ。



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友のお父さまの遺品をいただく。


友のお父さまがお亡くなりになって3年、お母さまを自宅に引き取られました。

両親が住まいされていた広いお宅では、合間合間、遺品整理をされていると聞いています。



書を嗜まれたお父さまの遺品は、相当数になると嘆いておられたことは承知していました。


漸く、書道室の整理の見通しが出来たので、「好かったら書をもらっていただけますか!」 …と。

いただいた桑の木枠の額。

仕舞いこむと、まず飾らないと思い、帰宅と同時に仏間に取り付けさせていただきました。



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母が持たせてくれた絵軸を下げて、いただいたお軸を掛けました。

すっきり落ち着いた感じになりました。


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書体のことは全く分からないまま、自身の好みで頂戴してまいりました。



篆書体音訓(読み)
 ワ オ カ やわ(らぐ) やわ(らげる) なご(む) なご(やか) あ(える) な(ぐ)
「龠」に「禾」です。
「和」の異体字      [和]を尊ぶ心を育み、世界へ繋げる~.
龢とは、聖徳太子が制定した「十七条憲法」の第一条にあることば
   龢(和)を以て貴しとなす(わをもってとうとしとなす)」の

文章を記した時に使われた「龢」という字は、七世紀に使われた最古の文字。

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                                   文字を分解して見ると、稲があり「食」、屋根があり「場」、
色んな人種や宗教の壁を越えて「心」を持って「人」が集うという意味があります。
日本の“個を尊重して、人を思いやる精神”は、

私たちの日常にある“自然”や“心の四季と美”として以来脈々と流れています.


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表装もとても落ち着いた趣のある生地で吟味されています ・・・流石です。


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いただいた多くの作品は、まず、半世紀来の友人4婆にお譲りし、

その日のうちに、床に飾られたそうです。

「部屋が変ったよ」・・・と連絡をいただきました。



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その後、13日のサロンにも持参して法友にもらっていただけました。


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そのことを友に報告すると ・・・ 「とても嬉しい」 ・・・と。

市の焼却場は悲しいよね…と。

近頃、親が亡くなると持ち家は、そのままの状態で放置しているというお方が少なくありませんが、

借家の場合などは毎月の家賃が発生してしまいますので ・・・

遺族にとっては様々な理由があり遺品を整理するにも、決心が必要になっていることでしょう。

彼女の場合も手を付けるまでには、随分時間の経過と相当のストレスを感じたそうです。


自身も整理される立場だと痛感。

遺品整理の場所に立たせていただいて、今から自身の遺品となるものの残し方を、

痛切に現実の学びをさせていただけました。

自身にとってとても重要でも、受け継ぐものに価値観を押し付けてはならないことなどなど。

近頃耳にする話題、親の遺品整理 ・・・業者にお願いすると1部屋〇〇万円 ・・・

寂しいですね ・・・ 子どもには負担になるんだよね ! 

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