京都迎賓館参観


迎賓館西門から係りの方の誘導で地下受付スペースに移動。

セキュリティチェック(空港のような)を受け、入館券購入(2,000円) 

荷物預入(25cm以上の手荷物)

注意事項説明、概要紹介、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、 

自由拝観は中止され、少人数ガイドツアーで、

私たちは8人グループになりガイドさんが2人の体制で参観となりました。



京都迎賓館は、日本の歴史、文化を象徴する都市・京都で、海外からの賓客を心をこめてお迎えし、
日本への理解と友好を深めていただくことを目的に、
平成17年(2005年)4月に開館した国の迎賓施設です。
当館は、日本建築の長い伝統の粋と美しさを現代の建築技術と融合させる「現代和風」の
創造を目指して設計されました。
国公賓などの賓客の接遇の場としての役割を果たしています。

賓客は正面この門から入館


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地下から広場へ


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正面玄関


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珠楽の間へ通ずる廊下、置かれている行灯は本美濃紙を使用、

鉄や釘を一切使わない伝統的技法である京指物で組まれて

「折り紙」をイメージして作成されたそうです。



中央の敷物は養生のためのもの。

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聚楽の間

晩餐会や会合が行われる際に、待合室として使われる木のぬくもりのある部屋。

聚楽とは、集った人達が、心安らかに過ごせるように願って名付けられたもの。



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竹工芸「鷹羽結び廣口花籃」

人間国宝の故・五世 早川尚古斎作。



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伊砂利彦 型絵染額装「一文字松」


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庭園中央の廊橋は東西の建物でつながっています。


廊橋を境に池の水深が変わっており、島の配された「海」の部分と、

「ネビキグサ」のある「水田」をイメージした部分に分かれます。


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庭園には一時代に活躍していたものが再利用されています。

左側にある石臼のような石柱に「天正17年8月」という文字が掘られていて、

豊臣秀吉の時代では鴨川にかかる旧五条橋の橋杭だったと。

平に横たわる石は、瀬戸内海の塩田で使用されていた

海水を堰き止める門の笠石だと説明を受けました。


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庭に面した簾が風情を加えています。


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「夕映えの間 」 京都の東西の山を綴織りで表現

東西の壁面を装飾する「比叡月映」、「愛宕夕照」という二つの織物作品の

一文字ずつをとって、この部屋を「夕映の間」と呼んでいます。


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壁面装飾「比叡月映」と「愛宕夕照」

日本画家の箱崎睦昌の下絵をもとに、「綴織り」という技法で織った織物です。

「比叡月映」は京都の東にそびえる比叡山を月が照らす様を、

「愛宕夕照」は京都の西に連なる愛宕山に夕日が沈む様を描いています。


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比叡月映」は京都の東にそびえる比叡山を月が照らす様を。

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光の演出

照明は天井を照らし、その反射光を間接照明として使用しています。

星空や蛍のような照明に替えることもあります。



硝子戸外の置物   八代清水六兵衛「TRANSFORMATION」


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 螺鈿飾台「山紫水明」

北村繁の作(監修:北村昭斎)。

鎚起(引き手の金物)は、浅野美芳の作。


飾り台 ―山紫水明

 飾り台の「蒔絵」・「螺鈿」は、山紫水明をテーマに、

人間国宝の北村昭斎と息子の北村繁。


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夕映えの間から水田と廊橋を眺める


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個人での参観時は自由に腰かけてお庭を眺めることができたのですが・・・


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コロナ禍でのガイドツアーでは、ゆとりはありません。


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「藤の間」へ移動

藤の花言葉は「歓迎」、迎賓館にふさわしい名をもつ大広間


京都迎賓館で最も大きな部屋で、晩餐会や歓迎式典の会場として使用。

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壁面装飾「麗花」


壁面装飾は、日本画家の鹿見喜陌の下絵をもとに、綴織りの技法で織った織物。

39種類の日本の草花が織り込まれています。


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床に敷かれた緞通は、壁面装飾に描かれた「藤の花」が舞い散った様子を

表現しています…と聞いて再度確認。


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格子光天井

天井の照明は、本美濃紙と京指物の伝統的技能が使われた格子光天井になっています。

「和凧」の連凧のような3段の笠は、高さが調節でき、

そのパターンは、15種類にも及びます。


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舞台扉に光る伝統技能「截金」

 人間国宝の故 江里佐代子の作品で、金箔と銀色のプラチナ箔を使用しています。


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  金と銀が、互いの美の長所を引き立て合いながら、二つの色が交差するさまに、

 「人と人との出会いもそうありたい」との願いが込められています。

作品名は、「響流光韻」と言います。


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伝統技能をちりばめた几帳


室内の間仕切りや目隠しとして使う「几帳」は、絹の薄織物の「紗」よりも薄い

「羅(ら」織物や漆、京縫い、組紐などの伝統技能が用いられています。


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長押の「釘隠し」各国の賓客との結びをイメージしているとのことです。

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藤の間から細めの廊下を通って霧の間へ。

ガイドさんから特に注意されたこと・・・決して壁には触れないように・・・と

土壁には、かつては公家の旧宅であった現地から出土した聚楽土を使用しているそうです。



「霧の間」へ


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軽やかな和風建築を引き締める漆黒の漆。

全長12メートルの漆の一枚仕上げのテーブルが

鏡のように庭の緑や天井の意匠を写して室内に豊かな景色を創り出しています。

正座に慣れないお客様にもくつろいでいただけるよう掘り炬燵式としています。





伝統技法で織り上げた畳

畳は、「中継ぎ表」という昔ながらの技法で、

イグサの良い部分のみを使って、中央でつないでいます。

畳縁は、麻の本藍染を使用しています。


畳の中央重なり部分が独特の風合い・・・


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障子の張り方は、縦方向に筋が入っている。

半紙を使用した「石垣張り」言うそうで、小さな和紙を重ねて張るようです。

何だか懐かしい障子を思い出します。


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太陽と月、二つの趣で欄間を彩る截金

桐の間の欄間には、藤の間の舞台扉と同じく截金の装飾が施されています。

作品名は「日月」です。

陽と月という二つのモチーフは光の方向によって異なる表情を見せます。


桐の板に描かれた 載金


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霧の間から眺めた中庭 ・・・軒が深く張り出しています。


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下出祐太郎 蒔絵「座椅子(五七の桐)」

五七の桐は明治より日本国の紋章として使用され、京都迎賓館の紋章にもなっています。

これも漆が鏡のようになって、全ての霧紋の彩色が違って施されています。


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霧の間から【廊 橋】

廊橋天井の四隅に施された透かし彫り右上から時計回りに蝶、鈴虫、蜻蛉、蟋蟀



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廊橋からネビキグサで表した水田・・・


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廊橋中央から眺めた海と呼ばれる景色 ・・・咲き誇る枝垂れ桜


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満開で見頃の枝垂れ桜 ・・・ガイドさん… 今日が最高ですね!!


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廊橋を渡り終えた所に船着き場 「和舟」

海外からの賓客に、和舟に乗って日本の文化「舟遊び」を楽しんでいただくそうです。

池の浅さを考慮して、底が平らになっています。

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ガイドさんの約70分の案内を終えて表玄関へ。

自由参観を体験していると、時間のゆとりが無いことに気づきました・・・が、

初めて参観された方は、とても分かりやすく見応えがあったと・・・

確かにガイドさんの説明でなあ~~~るほどと感心・・・

両方のご縁有難いことです。

13:00昼食場所、府立医大病院4F

急ホテル系レストラン 「風花」でランチ。

窓から京都御苑の緑を眺めながら・・・ここは病院内です。

コロナ禍・・・静かに…静かに。

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