明日香村 奈良県立万葉文化館 特別展「平山郁夫展 ~その旅路を辿る~」

連れ合いを通所リハビリへお迎えくださった後、

友の車に便乗させていただいて明日香村へ。


 奈良県立万葉文化館

特別展 平山郁夫 展  ~ その旅路を辿る ~






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平山郁夫美術館と平山郁夫シルクロード美術館所蔵の作品のなかから、

平山郁夫のふるさとである瀬戸内の風景を描いた素描や、平成の洛中洛外図、

画業の集大成となる記念碑的大事業であった薬師寺・玄奘三蔵院の大唐西域壁画の大下図など、

1990年代以降に描かれた作品を中心に、平山郁夫の画業の歩みを振り返ります。



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雨上がりで緑が映える万葉文化館入り口


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万葉文化館玄関辺り


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文化館入り口で ”せんとくん” が大きなマスク姿でお出迎え

可愛いです・・・ 時の流れを感じます。



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せんとくんの図案には、発表当初からさまざまな批判が寄せられました。


   「気持ち悪い」との声も聞きました。

古刹を中心とした仏教界からは、仏に鹿の角を生やしたような姿は

「仏様を侮辱している」と異議が唱えられたことも。


お坊さんの剃髪の頭から、奈良の象徴である鹿の角が生えているのですから。

わたし自身も最初に見た時には、違和感があり苦笑していました。

・・・があある時から「せんとくん」バッシングはピタリと消えました。


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会場内は撮影禁止です。



平山郁夫展には撮影スポットが2か所あります。

その1ヶ所の画、尾道市と愛媛県今治市を結ぶ延長46.6kmの自動車専用道路

(瀬戸内しまなみ海道)

芸予の島々を渡る道で、平山郁夫画伯の地元であり、

各橋の様子を描いた風景画が数多く展示されています。


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一番長く離れられなかった薬師寺玄奘三蔵院に奉納された《大唐西域壁画》の大下図の展示場。


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 高田管主から依頼され平山郁夫画伯により奉納された7場面13枚、全長49mの大壁画。

平山画伯が玄奘三蔵法師の旅した地を実際に訪れ、17年の旅を追体験して描かれたそうです。

製作期間は、取材を含めると約20年に及び、スケッチだけで4000枚もの絵を描かれたそうです。


こちらの展示場所も撮影可です。

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お気に入りで何度も薬師寺玄奘三蔵院を訪れています。



「明け行く長安大雁塔」  中国 

 長安大慈恩寺の境内に築造された煉瓦の塔です。

     玄奘三蔵法師の旅の出発点。

 大雁塔は玄奘法師の帰国後に建てられ、後世の七層の姿で表されている。


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嘉峪関を行く ・ 中国

  嘉峪関 黄河から敦煌にいたる河西回廊の万里の長城の

  西端を守る城塞として明代初期(1372年)に造られた。


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  玄奘三蔵法師が西へ向かった折にはこの関はなかったのですが、

平山画伯は唐から出国を象徴する場所として、度々訪れた同地を描いておられます。



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玄奘三蔵院伽藍は、回廊に取り囲まれる形で大川逞一仏師により造像された
筆を取ったお姿の玄奘三蔵の像や、
玄奘三蔵の実際のご遺骨を納める「玄奘塔」が中心に建つ形式となっており、
その北側には広々とした大唐西域壁画殿という施設も設けられ、
こちらには故平山郁夫氏(日本画家)により描かれた玄奘三蔵が
シルクロードを辿り天竺まで旅した姿を辿る圧巻の「大唐西域壁画」が展示されています。


「高昌故城」「バーミアン石窟」

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 「仏教伝来」は唐僧玄奘三蔵法師が、長安の都から国禁を犯して西域の流沙を渡り、

パミール高原を超えてインドまでの旅をした忠実に材をとっている。



 「西方浄土須弥山」



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 壁画殿北面中央に掲げられたこの「西方浄土須弥山」は本尊という設定です。


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高昌古城 


 シルクロード要衝の地として繁栄した都市、西域に向かった玄奘は

  ここへ立ち寄り、国王の麹文泰から手厚く遇され、

 その後玄奘がインド歴訪を終え同地を訪ねた時には、

高昌はすでに唐に滅ぼされた。

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 デカン高原の夕べ  

 「大唐西域記」によれば、玄奘は南インドや西インドまで足を伸ばしたと伝えられている。
      
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     「ナーランダの月」  
     
インドのナーランダ寺院は大乗仏教の研究の中心地として栄えた学問寺。

「明け行く長安大雁塔」の朝日と対比して、太陽が沈み、月光を浴びた

ナーランダの大唐を中心とした遺跡が描かれています。


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 壁画には、唐の都・長安からインドのナーランダ寺院までの7場面が描かれ、

全体で朝から夜へと一日の時間の流れが描かれています。


この画面には描かれていませんが、玄奘三蔵院の大唐西域壁画には

大塔に向かい合唱する人物を描かれているのが印象に残ります。

玄奘三蔵法師に、高田管主のお姿を重ねて描かれたのだと聞きます。

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万葉文化館の庭


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サルスベリの花があちらことらに


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雨上がりの緑は鮮やかです。


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樹々の間から明日香村家並みの白壁


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静かです・・・・ 


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コムラサキ(小紫) コシキブ(小式部) 鈴なりの実


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コムラサキ(小紫)コシキブ(小式部)  シソ科 ムラサキシキブ属


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薄っすらと紅葉が始まった初秋の万葉文化館の庭を後にしました。


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細やかな楽しみのお昼 ・・・ 心づかいが嬉しいお料理がリーズナブルお値段です。


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高田管主から依頼を受けられ、奉納まで25年かかったそうです。

残念ながら完成の3年前に高田管主が亡くなられました。


実寸大の下絵を拝観できたこと・・・私は感動です。

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