初夏の葛城古道は何度か訪ねているのですが、
彼岸花の咲く頃の葛城古道の九品寺は久し振りの散策。
九品寺は奈良時代の僧「行基」が開いたと伝えられています。
九品寺山門
古木の枝垂れ桜 ・・・お花見に訪ねてみましょう。
鐘楼と美しい白壁と石垣
山門の左側 十徳園といわれる回遊式庭園。
九品寺本堂 ご本尊は国の重要文化財に指定されている「木造阿弥陀如来像」
本堂右の細い参道や…急な階段を上った裏山に、千体石仏(千体地蔵尊)。
石仏は、南北朝時代に支配していた御所城主「楢原氏」が北朝側と戦った際に、
地元の方たちが奉納したものが始まりで、
現在では1,600体~1,700体もの石仏があるのだそうです。
鐘楼と十三重石塔
千体石仏(千体地蔵尊)を参詣させていただいて、参道を下ると、
右側に赤い絨毯のように見える場所が・・・
彼岸花を観るために訪れる方が次から次に・・・
以前の写真では田んぼ一面が朱に染まっていたのですが・・・
現場に来させていただくと…踏み跡が痛々しい
ここからの眺めは素晴らしく、大和三山も望めます。
左から遠くに 耳成山・手前の大きな 畝傍山・左、丘のような 香久山
沢山の蕾がまだまだ出番を待っています。
彼岸花の群生が素晴らしい場所ですが、その景観が危機に・・・と。
マナーが地域で問題となり、トラブルが多く、
地域の方から「彼岸花の群生を無くしてしまっては」という声も・・・・
彼岸花の咲く田んぼの用水路のそばに、小さな円筒状の塔が建てられています。
「番水の時計」と案内されています。
当番の方が、一定の時刻になると、用水路の方向を調整し、
水の流れを変え、各々の田んぼに配水を調整をするための時計。
葛城山麓が堆積層の浅い扇状地で、水を上手く配分しなければならない
地形状の問題があったためといわれています。
見渡せる限りの田んぼの畦道に咲き誇る彼岸花
カメラを向ける方々の多いこと。
駐車場近くの十徳園・・・再度彼岸花と石仏
駐車場にもこんなに・・・・
彼岸花の繁殖について検索していると、こんな驚く記事を見つけました。
一般社団法人日本植物生理学会 の 植物 Q & A より。
ヒガンバナの繁殖を毎年観察した記録が雑誌「遺伝」(裳華房)の1997年4月号に載っています。松江幸雄と言う方(亡くなられたようです)が30年余にわって観察したそうですが、1個の球根は926個に増えたそうです。条件さえよければ、全ての球根から花が咲きますから、見事な群落ができるでしょうね。
帰路は友の車で山麓線を通って実りの稲穂と畦道の彼岸花を堪能しながら・・・